親を扶養に入れると、いくら安くなる?
別居・仕送りでも使える扶養控除の条件
「実家に毎月いくらか送っている」——その送金が、扶養控除の要件を満たしている場合があります。扶養控除は同居していなくても使える制度で、そして自分から申告しないと適用されません。年末調整や確定申告で申告欄を埋めなければ、条件を満たしていても0円のままです。
この記事でわかること
- いくら控除されるのか
- 別居でも対象になる条件——「生計を一にする」の意味
- 親の所得がいくらまでなら対象か
- そもそも対象から外れる場合
- つまずきやすい点と、今日できる確認
いくら控除されるのか
扶養控除は、対象となる親族の区分ごとに金額が決まっています。
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族 | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 63万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等以外) | 48万円 |
| 同居老親等 | 58万円 |
また治療のための長期入院は原則として同居扱いとされる一方、老人ホーム等へ入所している場合は同居扱いになりません。あてはまりそうな場合は税務署にご確認ください。
これは所得から差し引かれる金額なので、実際に減る税額はこれとは別です。所得税についてのおおまかな目安としては、この控除額に自分の税率を掛けたぶんになります(住民税の扱いは所得税とは別です)。
別居でも対象になります。ただし「送金」が中心です
扶養控除の要件は「生計を一にしていること」であって、同居していることではありません。国税庁の通達では、同じ家に住んでいるかどうかは決め手にならないとされています。
つまり、別居の親を対象にできるかどうかは、継続的な送金が行われているかが中心の判断材料になります。「たまに帰省したときに現金を渡している」という状態では、要件を満たすと説明するのが難しくなります。
親の所得がいくらまでなら対象か
扶養親族に当たるには、親の年間の合計所得金額が一定額以下である必要があります。この金額は近年続けて見直されており、申告する年分によって異なります。
| 令和2年分〜令和6年分 | 合計所得金額 48万円以下 |
|---|---|
| 令和7年分 | 合計所得金額 58万円以下 |
| 令和8年分から | 合計所得金額 62万円以下(令和8年12月1日に施行され、令和8年分から適用) |
そもそも対象から外れる場合
事業専従者になっている親
国税庁は要件のひとつとして「青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと」を挙げています。親が自分や家族の事業を手伝って給与を受けている場合は、ここに当たらないか確認が必要です。
判定は「その年の12月31日の現況」
扶養親族に当たるかどうかは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡しまたは出国する場合は、その死亡または出国の時)の現況で判定します。年齢もこの時点で数えます。
つまずきやすい点
兄弟で重複して申告することはできません
同じ親を、複数の人が同時に扶養控除の対象にすることはできません。誰が申告するかを先に決めておく必要があります。一般には所得が高い人が申告したほうが減税額は大きくなりますが、健康保険や自治体の他の制度に影響することもあるため、金額だけで決めないほうが安全です。
健康保険の「扶養」とは別の制度です
「税の扶養」と「健康保険の扶養」は、要件も判定時期も別のものです。片方に入っているからもう片方も自動で入る、ということはありません。それぞれ確認が必要です。
申告していなかった場合
過去に条件を満たしていたのに申告していなかった場合、手続きの名前は状況で分かれます。もともと確定申告の義務がなく、申告することで税金が戻る場合は還付申告にあたります(申告の義務があったのに提出していなかった場合は、期限後申告になります)。すでに提出した申告書で扶養控除を漏らしていた場合は更正の請求です。どちらも手続きできる期間に限りがありますので、心当たりがあれば早めに税務署にご確認ください。
今日できる確認
- 親の年齢——その年の12月31日時点で70歳以上かどうか
- 親の所得——「公的年金等の源泉徴収票」を用意する(年金以外の収入があるかも一緒に)
- 送金の記録——継続的な送金の記録が残っているか。手渡しなら振込に切り替える
- 兄弟との調整——誰が申告するかを決めておく
- 事業専従者に当たらないか——親が家族の事業から給与を受けていないか
ここまで揃えば、税務署に相談するときの材料になります。帰省したときに「年金の源泉徴収票、見せて」と一言お願いしておく——今日できるのは、それくらいのことです。
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無料チェックリストを受け取る出典・参考(いずれも2026年9月10日参照)
・国税庁 タックスアンサー No.1180 扶養控除(控除額の区分/扶養親族の要件/同居老親等の定義/判定時期/事業専従者の除外/合計所得金額の要件)
・国税庁 タックスアンサー No.2030 還付申告/No.2024 確定申告を忘れたとき/No.2026 確定申告を間違えたとき
※本記事は2026年9月時点の一般的な情報の整理であり、税務の個別助言ではありません。控除額・所得要件・適用される年分は改正により変わることがあり、対象になるかは個別の事情で異なります。公的年金等控除額、健康保険の扶養、自治体の制度への影響については本記事では扱っていません。最終的な判断は、お住まいを管轄する税務署または税理士にご確認ください。