遺言書は法務局に3,900円で預けられる。
自筆証書遺言書保管制度の費用とメリット
遺言書には、書いた人しか知らない重大な弱点があります。あるのに見つからなければ、ないのと同じだということです。仏壇の引き出し、金庫、本の間——保管場所を本人だけが知っている遺言書は、いざという時に発見されないリスクと隣り合わせです。
法務局が預かってくれる制度
自筆の遺言書(自筆証書遺言)は、法務局が原本を保管してくれる「自筆証書遺言書保管制度」が2020年から始まっています。
| 保管の手数料 | 1件 3,900円(保管期間による追加費用なし) |
|---|---|
| 申請する場所 | 遺言者の住所地・本籍地・所有不動産の所在地を管轄する法務局(遺言書保管所) |
| 申請できる人 | 遺言者本人(本人の出頭が必要) |
この制度の3つのメリット
- 紛失・改ざんの心配がなくなる——原本は法務局が保管し、画像データでも記録されます
- 家庭裁判所の「検認」が不要になる——通常、自筆の遺言書は開封前に家庭裁判所での検認手続きが必要ですが、保管制度を使った遺言書は検認不要。相続開始後の家族の手間が大きく減ります
- 形式面のチェックを受けられる——保管申請時に、日付や署名押印など外形的なルールを満たしているか確認されるため、「形式不備で無効」をある程度防げます
ただし、法務局は内容の有効性までは審査しません。誰に何を残すかという中身の設計(遺留分への配慮など)に不安がある場合は、公正証書遺言や専門家への相談も選択肢です。
親への切り出し方は「2問」だけ
遺言書の話は、切り出し方が9割です。おすすめは、書くことを勧めるのではなく、まず現状を聞くことです。
「遺言書って、書いてる?」「どこにあるか、家族は分かる?」——この2問だけ。書いていなければ、それが分かること自体が前進です。書いているなら、保管場所の共有か、この保管制度を紹介してみてください。
出典・参考
・法務省「自筆証書遺言書保管制度」手数料一覧(2026年8月参照)
※本記事は一般的な情報提供であり、法律の助言ではありません。制度の要件・手続は変更されることがあります。実際の確認は法務局・専門家にお願いします。